HDRとは何か?



車載カメラなどで特に必要とされるHDR(High Dynamic Range)とは どういうものか実機で説明する。 未だ人の目ほど明るさの幅(DynamicRange)を 認識できないイメージセンサであるため、人の目のDynamic Range に 近づけるための1つの技術提案がHDR


 HDR画生成方法 

カメラで*AEブラケット撮影した画像を合成しHDR画を生成する。 HDR画が実際に人の目の見え方と同じ明るさの幅になるかを 以下HDR画を生成し実験してみた。  

結論は人の目に近づけられ遜色ない画が出来ることがわかる。(以下) 

参考URL. http://camera-beginner.sakura.ne.jp/wp/?p=7851 


*AEブラケット撮影とは 

1回のシャッターボタンで明るさを変えた複数回撮影を 連続的に行うこと。(複数回=3回が多い) 明るさ(露出)の幅は任意に選択できる。 


◆-2Ev(ローキー 12dB)のJPEG↓↓ 

グレースケールの一番明るい部分が飽和しないように露出を決める。一番明るい部分が飽和してしまうと、飽和してる部分は再現できないため飽和しないような露出にするのがコツ。この時グレースケールチャートの諧調差はすべて識別可能だが チャートボックス外の暗い部分の被写体が全く見えない 



◆標準のJPEG ↓↓

 グレースケールの諧調差はそこそこ見え、またチャートボックス外の 暗い部分の被写体もうっすら見える。


◆+2Ev(ハイキー 12dB)のJPEG ↓↓ 

*グレースケールチャートが飽和して諧調差が視認できなくなっているが、チャートボックス外の  暗い部分の被写体が良く見える



 ◆HDR画
JPEGのDrange=20*log10(256)≒50dBなので3つの画像合成すると

50dB+12dB*2=74dBのHDR画が出来る。

 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ 

考察

 ① 見た目と同じようなダイナミックレンジを確保できることがわかる。 但し、諧調については見た目と同じようにするには合成比と 合成後のトーンカーブ最適化調整が必要に思う。 

② やってることは50dBのJPEGダイナミックレンジに対し ±2Evの24dB広がった74dBをもとに50dBのダイナミックレンジのJPEGに入るようダイナミックレンジを圧縮してることになる。これは諧調を圧縮してるのだから、なだらかな諧調変化は表現出来ない方向だ。上記写真のグレースケールチャートぐらいの諧調変化はHDR合成でも表現できるがもっと細かな諧調変化は表現出来なくなりいわゆるのっぺりとしたHDR画になることは理解しておきたい。

 ③ 実験のようなダイナミックレンジの広い画の場合はAEブラケット行いHDR生成すれば良いと思うが、ダイナミックレンジの狭い画の場合 HDRは必要なくなる、もしくはたとえ必要であっても±2Evの値をさらに小さな値で合成した方が良いかもわからない。静止画であれば、常にブラケット撮影しておき被写体のダイナミックレンジに応じHDR生成した方が良いかしなくて良いかなど考え編集段階で選択すれば良いのかと思う。 

④ RAWデータ=12bitならHDR生成のためのブラケット撮影不要?
 RAW=12bit のDynamicRange=20*log10(2^12)≒70dB
 ±2Evブラケット撮影によるDynamicRange拡大=JPEG50dB+24dB≒70dB
 でほぼ同じ。ということはブラケット撮影しないで、RAWデータのトーンカーブ調整しHDR画生成しても良いのでは? とふと思うが同じにならない。合成HDRの方が画質が良好になる。

HDR合成の理屈
70dB----------20dB     JPEG ブラケット撮影 +2Ev
     60dB----------10dB            JPEG ブラケット撮影 標準
         50dB-----------0dB    JPEG ブラケット撮影 -2Ev
を合成して
70dB-------------------0dBの幅の画像を生成し256諧調=50dBで表現する。    

   これに対し
70dB-------------------0dB       RAWデータから
70dB-------------20dBを生成しようとすると、RAWデータの20dB~0dBの信号を増幅する必要がある
そのためHDR合成と違い暗い部分のノイズやリニアリティの影響が大きく出るため画質が悪くなる。

HDRはHigh Dynamic Rangeの略。何の意味なんか良くわからないよね(^_^;)
どんな意味があり、このHDRは使えるの?使う必要あるの?のコラムです

まず、カメラで言っているダイナミックレンジとはカメラは光を記録するものであるだけにカメラのダイナミックレンジとは光のダイナミックレンジのことであり、光の量的な範囲のことです。光の明るさはよくlux(ルックス)という単位であらわされてますが、このluxの範囲をここではカメラのダイナミックレンジと言ってますのだ。

なら、luxのダイナミックレンジってどれぐらいあるのか?ですが、、自然界には太陽光~星空まで明るさの範囲がありまして、太陽光=>10万lux, 星空=>0.01luxなんだそうだ。

そうすると、太陽光は星空の何倍明るいのだというと、 太陽光:100000lux÷星空:001lux=10000000(1千万)倍ということになる。これをダイナミックレンジを表現する式にあてはめると以下になる

ダイナミックレンジ式=20xlog10(~倍)

なのでダイナミックレンジ=20xlog10(10000000)=20xlog10(10^7)=20x7=140単位はdB(デシベル)。何と140dBもの広さを持つんだけど、私達人間の目はこのダイナミックレンジの光を見分けられる!

けれど、デジカメのダイナミックレンジは140dBもなくたったの70dBしかないんだ。

上図では便宜上、自然界の明るさの中央に対しデジカメの70dBの矢印を書いてるけど、星空から倉庫までの70dBとしても良いし、倉庫~太陽光までの70dBとして書いても良い。自然界の140dBのどの部分の70dBをデジカメに撮りこむのかはデジカメのF値(絞り値)やシャッター速度などのカメラ側設定でいろいろ変えられるからね。ただ、それらをどう設定したとしてもデジカメは所詮光を撮りこめる範囲は70dBしかないという事実が大事なんだ。つまり自然界の光の幅すべてを撮りこめれば何ら問題にしないのに、そこまで技術が追い付けてないんだって知ってた?

★そこで登場するHDR機能★

自然界の明るさ範囲=140dBを、それよりも狭いダイナミックレンジ(70dB)で撮りこもうと考えられた技術がHDR機能。やりかたは、「デジカメ(70dB)の撮りこみを複数回に分け撮りこみ合成することで140dBを再現しようとするもの」である。当然その複数回は、違う明るさ範囲を撮りこんだ複数回画像を合成することである。例えば上の図で言えば星空(≒0lux)~倉庫(≒100lux)の70dB範囲を撮りこんだ画像と、倉庫(≒100lux)~太陽(≒10000lux)の70dB範囲を撮りこんだ画像を合成し星空~太陽までの明るさ範囲を漏れなく撮りこもうとする技術だ。

★HDRの効果★
HDRの効果は、人が目で見えている「範囲」が見えることになることだ。HDRを使わないと、目で見てると見えるのにHDR使わないとそれが見えない(識別できない)状態になるので違和感をおぼえると思う。例えば、非常に明るい部分や非常に暗い部分が目でみれば見分けられるのにHDRを使わないデジカメで撮影したものでは「見分けられない」ことになるんだ。

★HDRの欠点★
HDRの欠点は、複数回に分け画像を撮りこむことから、この複数回の間で
・デジカメ側がブレてしまう(例.手振れ等)場合や
・被写体が動いてしまう(被写体ブレ)
が発生すると、それらを合成することが前提のため合成結果「画像ブレ」がわかりやすくなる
ということが欠点である。特にその合成されたブレ画像は、動画ならわかりにくいが静止画用途では、静止状態でモニターで見たりプリントして見たりするため気になる場合が多い。デジカメ側のブレ抑圧は、手振れ補正機能を使うや三脚等でカメラ固定するなどで工夫する。また被写体ブレ、手振れ両方に効果あるのはなるべく高速のシャッターを切ることだ。

★HDRって使えるの?★

さて、HDRの理屈がわかったところで、そのHDRって実際使えるの?
という素朴な疑問に完全なる「個人的な私見」でコメントします。

①HDRが使える用途
・有機ELモニターなど広いダイナミックレンジを持つモニターで見る場合
有機ELモニターなど出始めてきてて100万:1のコントラストをうたいにしてるものもある。100万:1はDynamicRange(dB)=20xlog10(10^6)=120dBのため自然界の明るさ範囲の140dBに匹敵するダイナミックレンジがあるので、70dBのデジカメをHDRで140dBに拡大したらそのダイナミックレンジを無駄にすることなく再現でし視認できるので意義があると言えます。

・センシングなどの目的で使う場合
たとえば、わかりやすいのは車載カメラ。自動車にとりつけられ、自動運転など人の「目の認識」と同じようなことを車載カメラで行おうとした場合。このような場合は、「人が目で見えているものは車載カメラでも当然見えている=センシング」していることを前提に自動運転に必要な様々なものを「識別する」につなげる。そのため人の目が140dBを識別できるなら、それと同じ以上のダイナミックレンジが車載カメラには要求されるのである。

②HDRを使って意味があるか??と思う用途
・狭いダイナミックレンジの表示で見る時
たとえば、プリントして印刷したものを見る場合はどうなの?と思ってしまう。
その理由を今から記載します。そもそも写真のDR(DynamicRange)は25dBしかない!
プリントしたものは、どこまでいっても自分で光を発光してなくて、室内照明や屋外太陽光など別にある光源の光がプリント紙に「反射」して人の目に入ってくる。そのため容易に想像できると思うけどダイナミックレンジは狭くなる。そのためデジカメの70dBで「すら」表示できない。というか上図のようにデジカメの70dBの一部の25dBがプリントされるのだ。これをもう少し詳しくみてみる。

上の写真はデジカメで撮りこんだ70dBのダイナミックレンジの広い画像の中央の明るさ25dBをプリントした画像です。普通はこのようにプリントされます。中央から25dBプリントした方が違和感ないからです。というのは、例えば明るい側から25dBをプリントしたらどうなるでしょうか?


明るい側より25dBがプリントされるのだから、暗い側の画像は表示されずになるためたとえば画像右下にある砂浜は砂浜なのかなんだのか識別できない。また太陽の中心あたりの明るい部分は、諧調差が良く表示され、美しいグラデーションになっていることがわかる。


ではその逆で暗い側から25dBプリントしたらどうなるでしょうか?

暗い部分の25dBがプリントされるのだから、明るい部分はプリントで表現されなくなる。その結果この写真のように今度は明るい太陽が全く見えないプリント写真になる。しかし暗い部分の右下の砂浜は良く視認できるようになる。

まとめ
a) 自然界は140dBのダイナミックレンジがあり人の目はこの範囲を視認できる
b) デジカメは70dBのダイナミックレンジしかない
c) 写真プリントはさらに狭く25dBしかない
d) 写真プリントはデジカメ70dBのどの部分の25dBをプリントするかで見え方が全然違う

良くプリントした写真を見て、「これって見た目と同じ写真なの?」と聞かれることがあるが、上記のa)~d)を知ってれば「見た目とは違います。見た目と同じ表現が出来ないので。。」になります。で、言いたいのは、ダイナミックレンジがデジカメの70dBより狭い表示装置を使う場合は、このように見た目通りの表示が出来ず割り切り表示になるということが現状な中で、、さらに話を戻してHDRで140dBまでデジカメダイナミックレンジを広げても広げなくても所詮25dBしか表現されないので、意味があるのかということになるように思う。


また、もう1つのやりかたは、デジカメのダイナミックレンジをプリントの25dBに全部入るようにする方法もある。その結果は以下のようなものだ。太陽の明るい部分も右下砂浜の暗い部分も両方見えます。けど、何となくのっぺりした写真じゃないですか? そうなんです。HDR画にするとデジカメの70dBある明るさ変化を、25dBの狭い明るさ変化に変換するので明るい部分と暗い部分の間の明るさ変化が「粗く」なります。そのため見た目で絵画的な平面的な画になってしまいがちです。

そのため、HDR機能をダイナミックレンジの狭い表示装置で表示してもあまり意味がないのではないかと思うのが個人的な意見。但しHDR画という絵画的手法として人気があるよう。HDR画は例えば山下達郎のレコードジャケットなどでも有名な鈴木英人さんのような画風になる。

↓ HDR画

↓ 鈴木英人さんの画風

今やカメラに標準?搭載と言っても過言でないぐらい必須機能となっている「手振れ補正」ですが、いくつかの方式がありますので豆知識として掲載しておきます。


①電子式手振れ補正

例)連写した複数枚の画像を合成し、手振れを補正する方式 A7S2などの「手持ち夜景モード」
例)出力画より広い範囲の画像を取り込み、動き方向に応じて読み出し位置を変える方式

など電子式にもいろいろな方式がある

長所: レンズやセンサーの位置をずらすなどの機構が一切いらないから小さく出来る
短所: 手振れしてしまったセンサー出力データを、以降の信号処理で補正するためデジタル信号処理に伴う演算誤差等発生するため画質が落ちる。

②レンズシフト方式(上)
③センサーシフト方式(下)

いずれも、ジャイロセンサー(傾きを検知するパーツ)がブレを検知するとその傾きと量を打ち消す側に光学的に動かし手振れを抑える。光学的にレンズを動かすものが②レンズシフト方式であり、イメージセンサを動かすももはセンサーシフト方式と言う。
②と③の併用型もあり、ビデオカメラなどではこの併用型が使われている。レンズシフトで補正されない部分をセンサーシフトで補正するためより高精度で手振れ補正が行える。

長所:光学的に手振れしないよう光をあてるので、手振れ補正効果が大きい。

短所:レンズやセンサーなどシフトとする機構が必要なので大きく、価格も高くなる方向


◆レンズとセンサーを一体化モジュールで手振補正する空間手振れ補正◆

DP1,2,3 Merrillは「手振れ補正機能がない」
夜景風景撮影時はもとより昼間においても手振れの影響が必須となります。夜景撮影時に三脚を提案しましたが、昼間でも使える三脚以外の手振れ軽減するための対策提案したいと思います。

-----------------------------------------
手振れ対策1:  シャッター速度= 1/焦点距離 より高速に設定
-----------------------------------------

適正露出=±0となるよう、F値、ISO値、シャッター速度を調整する。この時、シャッター速度に関しては1/焦点距離より高速なシャッター速度にする。日中屋外の明るさなら余裕で1/焦点距離にできる。例えばDP2 Merrillは35mm換算で焦点距離が45mmなので 1/焦点距離=1/45s以上のシャッター速度になるようにする。室内や夜景などでは1/焦点距離 以下のシャッター速度にしないと適正露出にならないので、やはり画質こだわるなら(画質こだわるカメラだし)、三脚を使った方が良い。

-----------------------------------------
手振れ対策2: ◎撮影姿勢の工夫=ViewFinderを使いながら手振れしない姿勢で撮る
-----------------------------------------

背面液晶を見ながら撮るが基本のコンデジだから手振れ補正機能ってついてるのが当たり前なのに、DP1,2,3 Merrillにはついてない。それならやはり一眼のようにViewFinderで覗いて手振れしないよう工夫する方が良いかなと思う。
DP1 MerrillにはSIGMA VF-11のViewFinderが別売であります

DP2 Merrillには SIGMA VF-21のViewFinderが別売であります

そしてDP3 MerrillにはVOIGTLANDERの75mm ViewFinderが別売であります

-----------------------------------------
手振れ対策3: ○撮影姿勢の工夫=ネックストラップで撮る
-----------------------------------------

ネックストラップをピーンとはり、背面液晶みながら撮影すると手振れを抑えやすい。この方法ならViewFinder購入はいらない。但し、背面液晶は屋外で使う時スマホなどと同じように太陽光が液晶面にあたったりすると液晶表示面が見えなくなるので要注意だ。ViewFinderならそういったこともない。しかし、ViewFinderは高いので、背面液晶で何とかしたいと思うのである。そこで背面液晶にフードをつけるのが安上がりで効果的なんだぜい。しかもこのフード↓は未使用時に閉じる機構がありがたい。というのも液晶面の保護の役割を果たしてくれるからだ。これつけておけば液晶にh保護シールはらなくて良いかなと思える。それと背面液晶見ながら撮影なら、カメラをハイアングルやローアングルで撮ることも出来る。ViewFinderでは出来ないからなあ。。


-----------------------------------------
手振れ対策4: シャッターボタン押す時の振動回避
-----------------------------------------

◎セルフタイマーを使う
DP1,2,3 Merrillには「ドライブモード」の中に「セルフタイマー」がある。セルフタイマー2秒というモードがあるが、この2秒モードの意味は、シャッターボタンを押す振動を回避するためシャッターボタンを押した後2秒後に撮影する。シャッタータイミングが2秒遅れるわけだから、その瞬間を撮りたい時などはこの手は使えない。

◎シャッター撮影の瞬間は「息止める」
これは良く言われているが、試してみるとわかるが結構効果的です

○シャッターボタンを暫く押したままにする
タイマーだとその瞬間が撮れないので、さらに工夫としては「シャッターボタンを押し切ったままにする」というのがある。シャッターボタンをリリースする時の振動を抑える効果がある。タイマーと比べると、シャッターボタン押す瞬間の振動はあるがリリース振動がないので、撮影瞬間をのがしたくないためタイマー使えない時には効果的かも知れない。

-----------------------------------------
手振れ対策5: 壁や電柱、木など不動のものによりかかる
-----------------------------------------
人が立ってるのは足場が悪かったり、地面が斜めだったり足元が不安定な場合もあるし強風が吹き荒れてて体そのものがふらつくこともある。そうした時、一番効果的なのは「やはり何かにもたれかかる」こと。体を何かにもたれかけ、安定させましょう。またカメラを安定したものに押し付けるのも手だよね。

---------------------------------------

手振れ対策6: 現像、編集時にぶれ補正を行う
-----------------------------------------

撮った後でブレを補正する方法もある。が、あくまでおまけ的である。カメラに搭載されてる手振れ補正は、手振れの動きを検出して補正するから、正確な手振れ補正になっているし、手振れ補正に伴う画質劣化が少ない。が、しかし画像編集でボケを補正する場合、どのようなブレなのか(上下や左右や煽りや回転など)の情報を持たず処理をする。ということは、どの部分が手ブレによるブレなのかわからないのだから画像全体をしゃっきりさせる。まあ、手振れしてる部分もしゃっきりしてるので対策になってないかと言えば、なっているとも言えるが正確な補正になってないし、画像に故意的にシャープネス効果を加えるので、撮影画を忠実に再生するということにはなっていない。

Photoshopでは「フィルター」-「シャープ」-「ぶれ軽減」を選択するとぶれ補正を行う。

DP1,2,3 Merrillは、高い解像度と諧調豊な色表現で風景画撮影などに最適なのですが、その一方で感度が低く暗い環境下での撮影がしにくく課題である。暗い環境下だとどのような点が撮影しにくく困るのか具体的に記してみたいと思います。また、その課題解決のための工夫も記してみたいと思います。


① 少し暗い時の課題=手振れが気になる

少し暗い環境ではカメラの手振れが気になる。手振れが気になる理由を以下に記載します。

日の出や日の入り近くなどの少し暗い環境(人の目では十分見える明るさ)で、カメラを見た目と同じ明るさで撮影するため露出を上げる。露出調整方法は先に記述した通り、「レンズ絞り(F値)」「ISO感度」「電子シャッター」である。明るくするため早速調整してみる。但しこれらを個々調整したいので、カメラモード設定は「M(マニュアル)」で調整する。


A) レンズは開放=F2.8
被写界深度は浅くなるが、明るくしたいので被写界深度には目をつむりF2.8にした

B) ISO感度=400
DP1,2,3 MerrillはISO6400まで上げられるが、流石にノイズがひどく画品位として許せない。個人差があるので、自分の場合 ISO400が限界。これ以上上げるとノイズがひどくダメ(^_^;)

C) シャッター速度 
A,Bを調整しそして最後にシャッター速度で明るさ調整する。シャッター速度は高速シャッター速度だと暗くなり、低速シャッター速度だと明るくなる。なので「① 少し暗い時の環境」でまずは背面液晶で被写体が見えるようにシャッター速度を遅くする。適正な明るさは↓の適正露出値が0になるようにする。0になるようにA),B)を固定にしたうえでC)を変えてみる。

この写真は、蛍光灯下の部屋の明るさだけど、マニュアルモードで

A) F値=2.8
B) ISO=100
にして、シャッター速度を変えながら適正露出値=±0になるようにしたもの。
この写真を撮影した蛍光灯下の部屋の明るさでは、シャッター速度が1/15sであった。

なんだ、それで何が問題なのさ、、と思われるかも知れないが、「手振れ」が気になるのである。撮影したカメラは焦点距離f=45mm(35mm換算)のレンズを持つDP2 Merrillである。一般的に手振れしない「シャッター速度=1/焦点距離」と言われているので、焦点距離45mmのカメラでは1/45s以上高速シャッターでないと手振れが発生しちゃうのです。これはどんなに手振れしないよう脇を固め、どこかに寄りかかってなど、、工夫したとしてもです。(工夫しなければもっと高速シャッタにしなければならない)

ということは、DP2 Merrillは蛍光灯の部屋の中ぐらいの明るさでも手持ちすると手振れ起きちゃうぐらいの感度悪いカメラなんですお!太陽下の屋外の明るさなら余裕で大丈夫なんですが。。。


★今時のコンデジなら「手振れ補正」機能はついてるでしょう?
と思ってしまいます。感度悪いならシャッタ速度遅くして明るくしたくなるのだから、手振れ発生しないようせめて手振れ補正を入れてくれればと思います。手振れ補正機能の効果は最低でも2~3絞り分は効果ありと言われてる。DP2 Merrillは1/45sが、3絞りは8倍だから8/45sまでシャッター速度を遅くすることが出来る(計算上)。なので 1/15s =3/45s < 8/45sなので手振れ補正機能があれば蛍光灯室内では手持ちで撮影しても手振れが気にならないことになるやん。だけども、DP1,2,3 Merrillシリーズはとにかく手振れ補正機能がないのだから、使う上で工夫するしかないのだ。


--------------------------------
対策1: 三脚使う=王道
--------------------------------

蛍光灯下の部屋の明るさぐらい手持ち出来ないなら、屋外の森の中とか曇天とか朝焼け夕焼け前後などうす暗いところは当然手持ちはブレが気になり危険と思った方が良いというカメラです。で、対策1に登場してくるのは、王道の三脚です。三脚と言うと、「重い」「でかい」「持ち運び大変」などがありお気軽さからどんどんほど遠くなりがちなものだよね。

せっかく、コンデジのような手軽さのカメラなのに。。。

で、少しでもお気軽な三脚はないものか。。と探し回り見つけたのが以下です

これはJOBYマイクロスタンドというものです。



三脚はMerrillのボディよりも小さく、ボディと一体化となる。

これなら、本体にくっつけたまま持ち運び可能だし手持ち撮影も三脚くっつけたまま出来るし、三脚必要なときにどこかに設置台があればそこに三脚ごと設置し撮影すれば手振れは起きない。が、室内ならそんな都合良くの設置台なども部屋の中の物でまかなえるやろうが、屋外の場合そんな都合の良くJOBYマイクロスタンドを設置する台などあるかと言えば??でしょう。運よくあるかも知れないし、、ない場合の方が多いよな。。

そこで第二の三脚対策はこれだ!


これは三脚の概念を変えてしまった凄い商品なのだ。1秒で足が出せて1秒で折りたためるって本当なんですよ。スライドして足が慎重するのだけど、そこをワンタッチ1秒で引き伸ばしたり元に戻せるようにしたところは特許ものでしょう。もちろん軽くて持ち運びしやすいんだけど、設置するのもめんどくさかった三脚の難点を一気に改善してしまいました。これなら、ちょっとしたトートバッグのようなものにコンデジMerrillと三脚入れて屋外に撮影行けますぜい♪

三脚の使い方


--------------------------------
対策2: 三脚使う+ビデオライト
--------------------------------

1/焦点距離 以下のシャッター速度を使うような暗い環境では、三脚を使う。なるべくコンデジの良さいを活かすためお気軽な三脚をさがし使う!が対策1でした。しかし、三脚使っても撮影出来ない環境がありまする。それは、「背面液晶に撮影被写体が映らない」ぐらい暗い環境の時。撮影するためのフレーミングや、フォーカスなどの撮影前確認をしたいのに背面液晶が暗すぎて何もうつらないのでは確認のしようがない。。目では見えてるのにカメラを通すと(背面液晶に)表示されない。。

ということで、困るのである。そんな時は諦めると言ってしまっては終わりだよな(^_^;)ここで、フレーミングだけなら、光学ビューファインダーとりつけるというのも手だてになるのだけれど、暗がり対策の中で光学ビューファインダーはお奨めできません。理由は、フォーカス合わせが光学ビューファインダーでは出来ないからです。つまり、DP1,2,3 Merrillにとりつけられる光学ビューファインダーはカメラ本体と光学的にも電気的にも何の連携もしないただのファインダーですので、フォーカスがあっているかどうかなどの結果は少しもわかりません。光学ファインダーでたとえフレーミングが出来たところで、光学ファインダーではフォーカス調整出来ない。「オートフォーカス」使えばいいじゃんと思うかも知れないけど、残念なことに今課題にしてるのは暗い環境での撮影である。それも背面液晶にうつらないぐらい暗い環境なのだ。やってみればわかりますが、そんな暗い環境では、オートフォーカスなど合わずフォーカス調整できませんと赤枠が表示されます。たまに誤動作して緑枠(つまりフォーカス合ったよ)になりますが、それは愛嬌の誤動作です。問題にしてるような暗がりでは間違いなくオートフォーカスは合わないです。それでも撮影したいものがあるんだとするならのお助けは「ビデオライト」など照明機具を使うかなと。

もちろんビデオライト使って良い環境の場合においてだよ。ビデオライトを使い被写体を照らし背面液晶でフォーカス調整がとれたなら、ビデオライトを消す。そして、適正露出になるシャッター速度で三脚を使った上でシャッター押して撮影するだ。

--------------------------------
対策3: 三脚使い+フォーカス無限遠
--------------------------------

対策2ではビデオライト等のライティングを強制的に行い、ピンと合わせしてから撮影する提案でした。が、しかしビデオライトなどのライティングしてはいけない環境ではこの手は使えない。また、たとえライティングしても良い環境であっても被写体がビデオライト等の光が届かないぐらい遠方にある場合もライティング出来ない。たとえば、星空撮影や花火撮影などだ。背面液晶には暗くて何も表示されない環境だ。

このような場合は、仕方ないので最後の手として、三脚使い、適度な遅いシャッター速度にする。たとえば1秒以上など。そして、試し撮りして再生画をみて適正露出になるようにシャッター速度を変えて決める。こうしてほぼほぼ液晶画面に再生画が表示されるようになれば、後はマニュアルでフォーカス調整をしては撮影し再生画で確認するを繰り返す。ただ、無限遠設定で良い写体(星空や花火など)の場合、DP1,2,3 Merrillには良い方法がある。

★手っ取り早くフォーカス調整を無限遠にする方法★

1) 電源を一度切る

2) 電源を入れる

3) フォーカスをマニュアルにする

こうすることで「無限遠」設定になります。電源投入後マニュアルフォーカスにする時の初期値が「無限遠」であるので、これで手っとり早く無限遠設定が出来る。こいつは便利で使える。


露出(明るさ)調整は、以下の機能が関係しておりこれらの掛け合わせで明るさが変わる。但し、露出にかかわる機能であっても、機能用途が露出以外にあるためそれらを鑑みたうえで露出を決めていく必要がある。


露出調整法1) レンズの絞り F値
DP1,2,3の場合レンズの絞り値は
F2.8 F3.2 F3.5 F4.0 F4.5 F5.0 F5.6 F6.3 F7.1 F8.0 F9.0 F10 F11 F13 F14 F16

"F値が√2=1.41倍となるごとに明るさは半分となる"
ということを覚えておこう。このようにF値は明るさ=露出に関係しているが一方で

F値が小さい -- 被写界深度が浅い
F値が大きい -- 被写界深度が深い
という効果がある被写界深度とはピントの合う範囲

露出調整法2) シャッター速度

ImageSensorに光を当てている「時間」を制御し明るさ(露出)を調整する。シャッターには機械的シャッター(メカシャッター)と電子式シャッターと2通りの方法がある。いずれにしたって、短時間光をあてれば暗くなり、長い時間光をあてれば明るくなる。DP1,2,3 Merrillでは以下の範囲でシャッター速度が準備されている。

露出:       暗い--------------明るい= 動いている被写体がぼやける

シャッター速度 1/2000s ------------- 30s=動いている被写体がぼやけない

★一方でシャッター速度の効果は動いているものに対する「ブレ」にあらわれる。画でみた方がわかりやすいので写真画で示す

◎低速シャッタ効果=水しぶき(動いている被写体)がぼやけている

◎高速シャッター効果=水しぶき(動いている被写体)がぼやけてない

露出調整法3)  ISO感度で明るさを調整する

先のレンズ絞り値とシャッター速度による露光時間によりImageSensorに与えられる光量は決定されます。ImageSensorは光量に対応し出力となる電気信号を生成します。ISO感度とは、ImageSensorの出力信号に対する増幅度合いを言います。
・ImageSensorの感度とISO感度とS/N
ImageSensorに照射される光量が同じでも、ImageSensorの光⇒電気信号への変換効率が良いと多くの出力信号が生成できます。このことを感度の良いImageSensorと言います。ImageSensorとして感度を良くする技術は日々検討開発されており、オンチップレンズや裏面照射(BSI)や画素サイズを大きくするなど各種感度アップ技術を使っています。一方でそのImageSensorの出力信号を電気的に増幅しISO感度は上げます。回路規模や消費電力などが許されるなら技術的にはどれだけでもISO感度を上げることが可能ですが、実際にはある範囲までしかISO感度は上げられないようになってます。何故かと言うと、ISO感度を上げると「ノイズ」がひどくなるからです。ノイズがひどい画は品位が悪く使えないので各社カメラグレードで品位規格設けてあり、そのノイズ範囲に収まるまではISO感度を上げられるようになってます。さらに、ImageSensor感度が良いものは、感度が悪いImageSensorよりもS/Nが良いので(ノイズは一緒でも信号成分が多いので)、大きなISO感度までカメラは出せるようになってます。例えば、ソニーのα7SではImageSensorの感度がものすごく良いため、カメラとしてのISO感度は409600というとんでもなく大きな値まで許してます。そのため、目でも見えない被写体を見た目以上の明るさで撮像することが可能となり今まで撮れなかったものが撮れるカメラとなります。

あっそうそう、ちなみにDP1,2,3 MerrillはISO感度最大が6400です。そうなんですDP1,2,3 Merrilは感度が低く夜景撮りや高速シャッターを必要とする動きの激しい被写体には向かないカメラです。(高速シャッターにすると短い露光時間で動画ボケは抑えられますが、同時にImageSensorに照射される信号量が減るため暗くなります)


以上が代表的なカメラでの明るさ調整をするための制御項目です

まとめ
・レンズ絞り(被写界深度も変わる)

・シャッター―速度(動画ぼけが変わる)

・ISO感度(ノイズが変わる)

括弧は、その機能を使うと同時に変わるカメラ特性項目です。

です。


レンズ交換が出来ないDP1,2,3 Merrill。 いわゆるコンパクトデジカメとして購入すると痛い目に合うカメラなので要注意が必要に思う。つまり、コンパクトデジカメは軽くて操作も簡単で撮りやすくそして深い知識がなくたってそこそこ美しい写真が撮れるカメラと思っている人が多いはずだよね?


ところがどっこい、DP1,2,3 Merrillはそういうカメラではない。カメラのオート機能はほとんど使いものにならないので、レンズ絞りやシャッター速度、ISO感度、焦点合わせ、色温度合わせなど操作を理解した人が手動でそれらの調整を行うことで、あのすばらしい画質を引き出す必要があるカメラなんだ。それが良いか悪いかは別として、とにかく今のDP1,2,3 Merrillはそういうカメラになってしまっていることを記しておく必要がありそうだ。


◆要注意1: オート・ホワイトバランス(AWB)

色の基準として、無彩色な被写体が無彩色に撮れることというのがある。人の目というのはいろんなところで順応性がある。色についても、たとえば朝焼け夕焼けでも白い屋根は白く見え、目が順応します。朝焼け夕焼けの場合、赤みがかった光が多い環境では白い屋根は機械(分光器)で測定すれば白くありません。しかし人の目は、赤い光が多いと自動的に赤に対する感度を落としてて、白い屋根は白く見えています。これが人の目の色順応。しかし、カメラは機械なので分光器で測定した通りの色を再生しようとするので朝焼け夕焼けでの白い屋根は赤っぽくなります。人は自分の目が基準なので白い屋根に見えるのにカメラが赤っぽい屋根に写すと違和感をおぼえます。そこで、カメラに人の目の順応と同じように朝焼け夕焼けで白い屋根を白く見せるよう色調節する機能をオートホワイトバランスと言います。オートと名前がついてるので、自動的にホワイトバランスをします。具体的には、 

・青みが強い(色温度が高い)場合 → 赤みを足す  

・赤みが強い(色温度が低い)場合 → 青みを足す

先ほどの朝焼け夕焼けでは、白い屋根の白部分には赤い成分が多く当たっているため、白く見せるためには青成分を足して白っぽくみせます。青みが多い場合はその逆で赤成分を足します。

DP1,2,3 Merrillでは、このオートホワイトバランスがうまくかからない環境がありまして、白が白く写らない環境があります。自動でホワイトバランスをとるので、どのように「自動」のメカニズムにしているのかによります。自動のメカニズムをどうやっているかはわからないですが、(知る必要もないですが)、DP1,2,3 Merrillの場合 暖色系(電球色)照明だとオートホワイトバランスがうまく機能しません。

昼光色は、6,500~6,700K 
昼白色は、5,000K
白色は、4,200K
温白色は、3,500K
電球色は、2,800~3,000K
なお、普通の太陽光は5,000~6,000K、澄み切った場所の正午の太陽光は6,500K、朝日や夕日は2,000Kぐらいといわれ電球色とあまりかわらないのですが、朝日、夕日でDP1,2,3 Merrillのオートホワイトバランスがおかしくは感じてないのが気になります。

下記は電球色のもとでオートホワイトバランス(AWB)設定にした状態でDP2 Merrillで撮影した画像です。全体が赤緑っぽくなってしまいます。

◆対策:ホワイトバランス(AWB) あまりにオートホワイトバランスがとれてなさげだったら現像時にホワイトバランス調整しませうの巻

↑ こちらは、上の写真=電球色環境でAWBで撮影した画像をSigma Photo ProでWhiteBalance調整をした結果の画像だ。Sigma Photo ProとはDP1,2,3 MerrillのRAW(生)データを現像するための専用ソフト。必ずこの現像ソフトで現像しないとDP1,2,3 Merrillは使えない仕様になってるのでこのSigma Photo Pro(SPP)現像時にWhiteBalance調整するのが一番確実&手っ取り早いと思われる。

以下そのやりかたです

1.Sigma Photo ProでRAWデータを開く
2. 画面左上のカラータブの一番下にある色調整部分で
3. スポイトアイコンをクリックし
4. 写真画像の中の白い部分をクリックする
(写真画像にマウスを移動するとマウスがスポイトの形になる。
   スポイトの形にならなければ3からやり直す)
5. 今回は紙カップの一番上の部分をクリックした


画面左上のカラー調整でスポイトの右隣にあるカラー図の十字架の位置が動いていることがわかる。十字架の交点が白の座標であり白の座標が変わったことでホワイトバランス調整したことがわかる。

DP1,2,3 Merrillの特長はどこにあるだろうか?

その最大の特長は、画質において
・圧倒的な高解像度と色諧調表現の豊かさ
であると思う。

これらの特長を最も活かせるのは、屋外での「自然画(風景画)撮影」であるように思う。理由は、風景写真では森や山など細かなパターンがあり高解像度であることと、空や海、湖などの色が連続的にグラデーションのように変化するパターンがあり色諧調豊かな表現力が求めらると思うからだ。

逆に、人工的なものは色の種類も変化も少ないし、解像度も大して細かくないため街並みなどを撮影している範囲ではDP1,2,3 Merrillの良さがわからない。

一方で逆に短所は、感度が不足してることや色のS/Nが悪いなどがあげられる。これらが顕著に表れるのは夜景である。夜景で被写体が暗いと、背面液晶に被写体がうつらずFocus調整すら出来ない事態に陥る。ビデオライト等で光が届くところや、無限遠にあるときなどはFocus調整は何とかなるが、中望遠距離の夜の被写体はまずもってFocusすら合わせられない。ただ、他のコンデジだって似たようなものなので特別DP1,2,3 Merrillだけが悪いということではないのだが、「手振れ補正機能」が掲載されてないこともあり、感度稼ぐために低速シャッター設定にしようと思うがその場合の手振れで撮影画がぶれてしまい、、結果夜景が撮りにくいと余計に思われてしまうのだろう。

手振れ補正機能を何故搭載しなかったのかわからない。ただ、特長を最大限出そうとすると夜間ではなく昼間であることは明らか。人の目は、夜間暗いところでは細かい解像度が識別できないしどうせ色の識別力も落ちるのだ。だからMerrillを夜間撮りが出来たところで、特長が生かせないわけだし、、夜間暗い時は高感度のセンサーを使い手振れ補正ガンガンにかけられる夜景手撮りを特長とするカメラにお任せした方が良い。どだい万能のカメラなどないのだから。そう割り切ってるのなら、手振れ補正搭載しない分、小型軽量価格を抑えるようにした方が企画的に良いように思えたりする。もし、そこまで考え手振れ補正搭載してないのだとしたらMerrillの企画力は実に大したものだと感心せざるを得ません。

↓ DP2 Merrill 暗室の暗い環境 F2.8 ISO100にしシャッター速度5秒で三脚使う
服のけばけばした細かい部分が解像出来ていること、白い壁のわずかな輝度差が表現されてる、名刺の文字のクリアーさを以下と見比べてください

↑ A7S2  暗室の暗い同じ環境 F2.8 ISO100にしシャッター速度5秒で三脚使う
   

DP2M=4,800 x 3,200 [4.3um]  デバイス内色分離

A7S2=4240 x 2832 [8.5um] Bayer配列色分離..

A7S2は8.5umの画素サイズが大きいため、感度が良くS/Nが良い。但しDP2Mも三脚使えばちゃんと明るく撮影出来てしまう。撮影できるぐらいの暗がり(液晶モニターでフォーカス合わせ出来る程度の明るさはある)であればDP2Mは三脚使い上の画像のように細かい解像と細かな諧調表現が出来てしまい画質的な長所を出すこは出来てしまうのだ。

つまり、、目でも見えないぐらい暗い環境での撮影や被写体が動いてるものなど、現実的にほとんどありえない環境でない限りDP2Mは三脚撮りは出来てしまうのだしその場合はしっかりと長所は出せてしまう。

↓ DP2 Merrill で撮像した解像度チャート9分割画面の中央部に解像度チャート表示し撮影。

↑ A7S2 で撮像した解像度チャート9分割画面の中央部に解像度チャート表示し撮影
 A7S2はDP2 Merrillより多少画素数少ないが、画素数の少なさよりも色配列を使うことによる色偽信号対策としてOLPF(Optical LowPassFilter)で光学的に偽信号が出ないよう高週は成分落としてしまってるため、解像度チャートがなまってるほうが大きい。DP2 Merrillは基本的に補間してないため色偽信号が発生しないのだからOLPFを入れないため高週は成分が失われないで済む!


DP1,2,3 Merrill撮影で困る時は以下のような暗い環境の場合など限定的だよね

・夜間動く被写体を撮影する 夜動く被写体

(飛行機、自動車、汽車、人物)とき

・三脚がたてられない環境、夜間手持ち撮影をするとき

・ビデオライト、フラッシュ光が届かない中望遠以上の距離の被写体

・ビデオライト、フラッシュ等の光をあててはいけない環境の被写体

SIGMAが製品化してるコンデジ
DP1 は広角レンズ 35mm換算で「28mm」
DP2 は標準レンズ 35mm換算で「45mm」
DP3 は中望遠レンズ 35mm換算で「75mm」

DP1 Merrillの仕様はこちら

DP2 Merrillの仕様はこちら

DP3 Merrillの仕様はこちら

いずれもレンズ交換が出来ず、というかレンズ焦点距離違いのコンデジ。
・レンズ交換式にせず
・ズームレンズにせず
わざわざ焦点距離違い3兄弟をラインアップしているところにレンズメーカーSIGMAのこだわりがあるのだと感じる。つまり、レンズ交換式によるレンズとセンサーの光学的マッチング性能を落としたくない! また、ズームレンズによるレンズ性能を落としたくない。ということを最優先し光学性能を徹底的に極めた製品にしたいということなのだと思う。
ボディはDP2 Merrillで355gでコンパクトデジカメに属する重さだし大きさ。なので、一眼レフカメラ、一眼ミラーレスカメラなどのような馬鹿でかい本体や交換レンズといった持ち運びに大変な思いをするカメラ群と違い、機動性は間違いなくありまする。