実際にHDR画生成してみた

HDRとは何か?



車載カメラなどで特に必要とされるHDR(High Dynamic Range)とは どういうものか実機で説明する。 未だ人の目ほど明るさの幅(DynamicRange)を 認識できないイメージセンサであるため、人の目のDynamic Range に 近づけるための1つの技術提案がHDR


 HDR画生成方法 

カメラで*AEブラケット撮影した画像を合成しHDR画を生成する。 HDR画が実際に人の目の見え方と同じ明るさの幅になるかを 以下HDR画を生成し実験してみた。  

結論は人の目に近づけられ遜色ない画が出来ることがわかる。(以下) 

参考URL. http://camera-beginner.sakura.ne.jp/wp/?p=7851 


*AEブラケット撮影とは 

1回のシャッターボタンで明るさを変えた複数回撮影を 連続的に行うこと。(複数回=3回が多い) 明るさ(露出)の幅は任意に選択できる。 


◆-2Ev(ローキー 12dB)のJPEG↓↓ 

グレースケールの一番明るい部分が飽和しないように露出を決める。一番明るい部分が飽和してしまうと、飽和してる部分は再現できないため飽和しないような露出にするのがコツ。この時グレースケールチャートの諧調差はすべて識別可能だが チャートボックス外の暗い部分の被写体が全く見えない 



◆標準のJPEG ↓↓

 グレースケールの諧調差はそこそこ見え、またチャートボックス外の 暗い部分の被写体もうっすら見える。


◆+2Ev(ハイキー 12dB)のJPEG ↓↓ 

*グレースケールチャートが飽和して諧調差が視認できなくなっているが、チャートボックス外の  暗い部分の被写体が良く見える



 ◆HDR画
JPEGのDrange=20*log10(256)≒50dBなので3つの画像合成すると

50dB+12dB*2=74dBのHDR画が出来る。

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考察

 ① 見た目と同じようなダイナミックレンジを確保できることがわかる。 但し、諧調については見た目と同じようにするには合成比と 合成後のトーンカーブ最適化調整が必要に思う。 

② やってることは50dBのJPEGダイナミックレンジに対し ±2Evの24dB広がった74dBをもとに50dBのダイナミックレンジのJPEGに入るようダイナミックレンジを圧縮してることになる。これは諧調を圧縮してるのだから、なだらかな諧調変化は表現出来ない方向だ。上記写真のグレースケールチャートぐらいの諧調変化はHDR合成でも表現できるがもっと細かな諧調変化は表現出来なくなりいわゆるのっぺりとしたHDR画になることは理解しておきたい。

 ③ 実験のようなダイナミックレンジの広い画の場合はAEブラケット行いHDR生成すれば良いと思うが、ダイナミックレンジの狭い画の場合 HDRは必要なくなる、もしくはたとえ必要であっても±2Evの値をさらに小さな値で合成した方が良いかもわからない。静止画であれば、常にブラケット撮影しておき被写体のダイナミックレンジに応じHDR生成した方が良いかしなくて良いかなど考え編集段階で選択すれば良いのかと思う。 

④ RAWデータ=12bitならHDR生成のためのブラケット撮影不要?
 RAW=12bit のDynamicRange=20*log10(2^12)≒70dB
 ±2Evブラケット撮影によるDynamicRange拡大=JPEG50dB+24dB≒70dB
 でほぼ同じ。ということはブラケット撮影しないで、RAWデータのトーンカーブ調整しHDR画生成しても良いのでは? とふと思うが同じにならない。合成HDRの方が画質が良好になる。

HDR合成の理屈
70dB----------20dB     JPEG ブラケット撮影 +2Ev
     60dB----------10dB            JPEG ブラケット撮影 標準
         50dB-----------0dB    JPEG ブラケット撮影 -2Ev
を合成して
70dB-------------------0dBの幅の画像を生成し256諧調=50dBで表現する。    

   これに対し
70dB-------------------0dB       RAWデータから
70dB-------------20dBを生成しようとすると、RAWデータの20dB~0dBの信号を増幅する必要がある
そのためHDR合成と違い暗い部分のノイズやリニアリティの影響が大きく出るため画質が悪くなる。

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